劇団から大切なお知らせ


古谷ちさです。

この度、私 古谷ちさは今公演「の、つづくとこ」を持ちまして、
空晴を退団させていただく事となりました。

退団の1 番の理由は、
ここ数年で私自身の生活環境が変わり、方向性を変えた人生を歩みたいと思ったからでした。

急な申し出にもかかわらず、
座長である岡部さんは受け止めてくださいました。
岡部さんは退団せず続けられる方法をたくさん考えてくださいましたが、最後は私の想いを尊重してくださいました。

成人したてで右も左も分からない状態で入団した私に、「人を想う気持ち」という空晴のお話のテーマを軸に、
お芝居はもちろん、劇団という組織の形を通して、礼儀や演劇活動のすべを一から教えていただきました。

入団してからの約10年、私なりにではありますが劇団を第一に考え、がむしゃらに過ごしてきました。
長い間、知らない世界に連れ出して下さり、時にはお尻を叩きながらも娘のように大事に育ててくださった、岡部尚子さん。
至らぬ私を見捨てずに根気よくたくさんのアドバイスを下さった上瀧昇一郎さん、小池裕之さん。
頼りない先輩を些細なことまで支えてくれた南川泰規君、駒野侃君。
ずっと見守ってくださっている、川下ともこさん、平本光司さん。
大切な劇団員・大事な劇団の傍を離れることは決して簡単な決断ではなく、とても寂しいです。

退団後、役者を続けるかどうかについては、「役者辞めます!」と言ってしまうと、これまで教えていただいたすべてを置き去りにしてしまう気がどうしてもしてしまい、正直踏ん切りがついておりません。教えていただいたことを無駄にしないよう、今後を考えていきたいと思っています。
劇団を通してたくさんのご縁を結んでいただき、貴重な経験をさせていただき、学ばせていただいたことは何事にも代えがたい貴重な財産です。
教えていただいたことを胸に、自分で考えて、劇団に甘えず新しい一歩を踏み出したいと思います。

かわいがってくださったスタッフの皆様・関係者の皆様、
そして応援くださった空晴を大切に思って下さっている皆様、
本当に本当にありがとうございます。

今公演「の、つづくとこ」が出演最後となりますが、どうぞ、変わらず空晴を楽しみにお待ちいただきたいと思います。どうか、温かく見守っていただけますと幸いです。


岡部尚子です。

先にちーやんの文章を読んでいただいている前提でお話をさせていただきます。

正直発表時期は迷いました。
「知ってた」上で知らないフリするものもなぁとか、でもそのフィルター通して公演を観てもらう事になるのかなぁとか、いろいろ悩みましたが・・・最終的に劇団としては、言えるものなら出来るものなら「お別れ」は言ったり出来た方がいいと、今回は彼女の最後の出演を告知する判断としました。

ただただ「寂しい」
だけども「しゃーない」
人生を引き止める事はできません。

ちーやんの文章を読んで
「なんでフルネームの、さん・君、呼びやねーん!まだコッキーさん、なんちゃんでええやーん!なんか他人行儀やーん!」
とまた寂しくなりましたが…
でも
ちーやんの真面目で実は頑固で不器用で、正直で優しい所はよくよくわかっています(つもりです)。
だてにこれまでアテガキで彼女へ多くの役を書いてきたわけではないです。学生の時から見ています。
だからこそ、ちーやんなりに真摯にお伝えしなければ・・・という気持ちが溢れまくった文章なんだと。
・・・稽古で「小池さん」「駒野君」とかフルネーム呼びしだしたら、さすがに「やめてーー」と言いたいですが。

彼女がいない空晴・・・誰がこれまで彼女がやってきてくれたことを
誰が制作のアノ部分を?誰がグッズのPOPを?誰がイラストを?誰がHPの更新を?誰がお弁当の手配を?誰がケータリングを楽屋を?誰が差し入れの果物を剥いてくれるの?誰が富士そば派の男性陣の中で松屋につきあってくれるの?誰が私の女子トーク(愚痴)を聞いてくれるの?誰がパソコン買い換えついてきてくれるの?誰が仕込日の難波や下北沢の買い物につきあってくれるの?そこで内緒で一緒に買い食いは誰と?誰がちーやんにしかできなかった役を?
などと大切な事から「お前がやれや」「人に頼るな」はたまた「知らんがな」みたいなことまで尽きもせず浮かんできます。

・・・すみません。
ちーやんがしっかりと丁寧に皆さまに向けて書いた言葉に全く則していない文章になっていますお許しください。

仕事は代わることは出来ても、やっぱり誰もちーやんの古谷ちさの代わりにはなれません。
それは他の劇団員も一緒。

けれども、私は空晴はこれまで、それでも、やってきました。
なんとかどうにかですが、やれることも知っています。
ちーやんは空晴にはいなくなるけど、いなくなるわけじゃない。彼女はいますから。
だからこそ、戻るとかそういう後ろ向きのベクトルではなく、彼女が、空晴がこれから進んでいくこの先、ずっと前の方に、再び交わる点が100%ないわけじゃないとも思っています。

前向きにまずはまだ彼女がいる来月の公演、空晴新作「の、つづくとこ」の執筆に集中したいと思います。
ええ、まだ出来上がってません。やっぱり「今」の私に左右されるのが空晴の作品。
構想段階からあったことと、それに加わった色々を書かなければ。決して後ろ向きではなく。
彼女と最後の、じゃなくて「彼女がいる稽古場・劇場」それはとっても楽しいんですよ。

最新作「の、つづくとこ」こちらの会場で皆さまをお待ちしております。今はまず!